寒天
寒天とはテングサやオゴノリといった海藻を原料とした食品で、寒天の原型は奈良時代に中国からトコロテンとして伝わり食されていました。その後江戸時代になり京都伏見の旅館「美濃屋」の主人美濃屋太郎左衛門が、偶然冬の寒さで凍り自然乾燥の状態となったトコロテンから、寒天の製造方法を見つけ出し、その後寒天は和菓子の材料として広まっていきました。当初は「トコロテンの干物」と言われていましたが、宇治の黄檗山萬福寺を建立した隠元禅師が、「寒晒心太(かんざらしトコロテン)」の意味をこめて、寒空を意味する「寒天」と命名したとされています。
寒天の成分である海藻多糖類の一種アガロースとアガロペクチンは、ヒトの持つ消化酵素では分解ができず食物繊維に分類されています。そのため寒天にはほとんどカロリーがありません。そして寒天の成分のうち実に8割はこれら食物繊維であり、さまざまな寒天の効用をもたらすのです。寒天の効用として現在確認されているのは、善玉菌を増やしたり腸の蠕動運動を促進するなどの、他の食物繊維と同じ整腸作用にはじまり、血圧を下げる効果・コレステロール吸収抑制・体脂肪の燃焼促進・基礎代謝向上など実に多様で、ダイエットに効果がある食品として注目されています。
また寒天を煮つめる際にレモン汁などの酸味のある食品と混ぜることで、冷えても固まらない寒天を作ることが出来ますが、これはレモン汁に含まれるクエン酸がアガロースを構成する単糖体同士の網目状の結合を切るためです。そして固まっている寒天を摂取したときも、胃の内部で胃酸によっても同様のことがおきています。この酸の働きによって分解されたアガロースからはアガロオリゴ糖という多糖類の混合物が少量生成されるのですが、このアガロオリゴ糖にガン細胞に対する「アポトーシス作用」があるのではないかという研究が現在進められています。
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